元営業女子の背伸びをやめた生活

広告代理店営業→専業主婦→WEBマーケ職という経歴のアラサーの日常を綴ります。旅行、ゲーム、映画、結婚式の思い出、仕事観など…

【感想】マーケティングの仕事と年収のリアル。見習いマーケターに全力でおすすめ!

こんにちは、あしです。

 

インサイトフォース代表の山口義宏さんが書いた「マーケティングの仕事と年収のリアル」という本がとても勉強になったので、備忘録の意味も込めて感想を書きます。

 

マーケティングのキャリアについてロジカルにまとまっているので、業界に少しでも携わっている人には非常に読みやすい本だと思います。

特に「マーケティング職には6つの成長ステージがある」「スペシャリストorマネジメント?」「支援会社or事業会社?」「キャリアを築く具体的な7つのパターン」等のいくつかの分類分けが使われるので、それぞれの分岐を辿る内に自然と自身のキャリアを明確化できるのが良かったです。

キャリアの明確化というと抽象的ですが、要は「今自分はどこにいて、どこを目指したいのか」「そのために何が足りないのか」という気づきが得られた気がします。

どんな人におすすめ?

著書の中では特にアラサーマーケター向けな切り口がされているのですが、

個人的には特に以下に当てはまる人には強くおすすめしたい本です!

 

・・・つまりもう少し遡って過去の自分に読ませたい。

「別に年収なんて興味ないね!」とか言ってる奴の頭をこの本の角でカツーンと殴りたい(笑)

自分はどのポジションにいるのか?が明確になる

特に前半部分の第1章、第2章でぐぐっと引き込まれたので、そこに焦点を当てて感想を書こうと思います。

1章、2章では「自分がマーケターとしてどのようなキャリア(経験)を積みたいのか」「そもそも今自分はどのポジションにいるのか」という根本的な部分を気づくきっかけをくれるので、特に若い人は読んで勉強になると思います。

事業会社とマーケティング支援会社の差は?(第1章)

初っ端から結構ぐさっとくるテーマでした。

なぜなら私が「支援会社事業会社」というキャリアをさほど目的もなく築き、やや後悔をしているからです。

端的にまとめると、事業会社は「マーケティング全体像」を見渡せる。対して支援会社は「特定領域の専門性が深まる」と著書にはあります。しかし実際には支援会社の種類とその中の職種によっても様々かと思います。

以下、著書の中で一般的な傾向としてまとめた図です(携帯で撮った写真で見づらいので、気になる人は是非本を買ってください)

 

f:id:t-ashi:20190304163902j:plain

図表1-6 企業カテゴリ別の一般的な傾向

 私は特化した自社商材のない広告代理店で営業をしていたので、それなりに扱う商材のことや特にWeb領域の知識は浅く広く学んだ自負はあります。しかし後にも触れられますが、それはマーケのキャリアを6段階にした内のステージ1や、ステージ2の話なんですよね(ドラクエでいえば、スライム~ドラキーぐらいなレベルです!)

そうしてそのキャリアで転職できる事業会社のマーケティング職というと、マーケティングの部署はあるもののWebに疎い事業会社が圧倒的に多い。私の2回目の就職先はまさにそうでした。 

 

もちろんそういった環境で力を発揮し、経験を積んでいく方もいると思いますが、Webに理解がある会社と疎い会社では、同じ時間に積むことができる「成功体験」に差があるのではないかと思いました。(Webに疎い会社は何か新しい広告や施策をするのに、とにかく社内で決裁をとるのが大変・・・)

 

そんな経験もあって、私は支援会社に入って後に事業会社のマーケティング職を目指したいのであれば、 一度は広告運用の経験をした方がいいと考えます。その方が後の選択肢は広がります。

 

働き方改革で業務時間の改善をしている支援会社も多いと聞きますが、それでもやはり「支援会社=激務」はある程度事実だと思います。

それでもただ「激務は嫌だ。残業時間を減らすために事業会社に行きたい」という理由だけで転職を考えている支援会社の営業さんには、1回立ち止まって考えてほしいです。私、少し後悔しているので(笑)

 

 マーケティング職の6つの成長ステージ(第2章)

恐らくこの章を読むだけで、進むべき方向性がぼんやりと見える新米マーケターも多いんじゃないかなと思います。

著書の中では、6つの成長ステージを以下のように分類しています。わかりやすい!

ステージ1 マーケティング業務の見習い

ステージ2 特定業務の担当者(ワーカー)

ステージ3 特定領域の専門家(スペシャリスト)

ステージ4 マーケティング施策の統合者(ブランドマネジャー)

ステージ5 ブランド・マーケティング全体の責任者(CMO

ステージ6 マーケティングに強い経営者(CEO)

 

自分ごととして話したいのがステージ1~3のことなので、ピックアップして要約するとこんな感じ。

 

●ステージ1 マーケティング業務の見習い

「専門用語や基礎知識を理解しよう!」

定義としては、「CV」「CPA」「DSP」「DMP」みたいな専門用語を覚え、それを使ってコミュニケーションがとれる。具体的に言うと「要点をまとめた上で次のアクションがわかる議事録」が作成できるようなレベル。

 

●ステージ2 特定業務の担当者(ワーカー)

「専門知識と業界知識を持って、1人で業務を回せる状態になる!」

半年~2年ほど業務を経験し、上司の判断を仰ぎつつもある程度業務を回せる状態。世の中のマーケティング施策を、これまでに学んだフレームワーク等を使って人に説明できるようなレベル。

 

●ステージ3 特定領域の専門家(スペシャリスト)

「深い専門知識を持ち、特定領域で社内から相談を受けるようになる!」

SEMSEOSNS等の特定領域の施策に関して独自の見解を持ち、プロジェクトを推進した上で成果を出せる状態。この状態になると実績も増え、信頼も増すことから社内外から相談を受けることが多くなる。

 

 私が1番ハッとしたのはこの章でした。

「私このままじゃずっと、ステージ2だ。そしてそのことに危機感を持たないまま仕事してた」そう思ったからです。

 

ステージ2までは、マーケティング業務に携わり、目の前のことをコツコツ頑張る内に自然と辿りつける領域です。ただステージ3からは、意識して目指さないと辿りつけない領域だと思いました。

 

具体的にどういった経験がステージ3に必要なのかは著書の中に詳細に書かれていますが、特に私が自覚したのは「成功体験の数が足りない」「そもそも何を軸に専門性を高めるかが明確ではない」という2点です(結構根本!)

 

浅く広く知識を得て、コミュニケーションをとりつつ仕事はそつなく回せるようになったと思ったときこそ、成長が鈍化する瞬間なのかもしれないですね。数年間マーケティング業務に携わりながらも、なんとなく自分の身にはついていない感覚というのが、この辺りで明確になった気がします。

 

改めて気づきを得たのは、ステージ3でレベルを高めるために重要なことを記した以下の部分です。

ステージ3でレベルを高める上で重要なのは、基本的な専門知識に、時毒の経験と見解を付加し、再統合してアップデートした専門知識を社内外にアウトプットすることです。ただし、アウトプットは、期日の締め切りがないとなかなか進まないもの。このため、社内外での勉強会やセミナーでのプレゼンテーション、社内外のメディアへの寄稿、会社の方針で許されるならブログやSNSへの投稿など、フィードバックにさらされる機会を増やすことがポイントになります。

引用元:マーケティングの仕事と年収のリアル 第2章

特に支援会社では、社員でブログを書いたり、対外向けの説明会を行ったりといった仕組みができているところが多いですよね。これはインバウンドでの案件獲得という一面と、社員の成長という一面で非常に効率的なのだなと改めて思いました。

 

まとめ

見習いマーケターは手にとって絶対損はない一冊だと思います。

今読んで遅かった!とも思わないですが、「早く読めたら読めたでもっと悩まずに済んだなー」と思う部分があることも確かです。

 

やっぱりもう1回マーケティングの仕事したいなーと思うあしでした!