元営業女子の背伸びをやめた生活

広告代理店営業→専業主婦→WEBマーケ職という経歴のアラサーの日常を綴ります。旅行、ゲーム、映画、結婚式の思い出、仕事観など…

【ネタバレ感想】ONCE ダブリンの街角で。チェコ語なんてはじめて調べたよ。

こんにちは、あしです。

 

本日はAmazonプライムで観た「ONCE ダブリンの街角で」という映画の感想です。

 

「シングストリート」や「はじまりのうた」のジョン・カーニー監督ということ以外に情報を入れずに観たのがよかったです!

映画を観る前に「切ないラブストーリー」「泣けるラブストーリー」なんてキーワードを見てしまうと、この2人結局最後は幸せになれないのかな・・・なんてフィルターがかかってしまいがちなので。

 

個人的には「はじまりのうた←ONCE ダブリンの街角で←シングストリート」の順番で好きです。多分観るときの気分によっても全然違うんだろうな。

 

以下感想ネタバレ有りですので、ご注意ください。

※ジョン・カーニー監督の他作品についても触れています。

 

ONCE ダブリンの街角で」の簡単あらすじ

監督:ジョン・カーニー

主演:グレン・ハンサード、マルケタ・イルグロヴァ

ある夜アイルランドのダブリンの街角でギター片手に歌う男は、チェコ系移民の女に話しかけられる。初対面なのに質問攻めな彼女は、男がフーバー(掃除機)の修理を仕事にしていると聞き、翌日壊れた掃除機を男の元へ持ってくるのだった。

掃除機を街中で引きずりながら話してみると、どうやら彼女は音楽に詳しく、ピアノを弾いているそうだ。ピアノは高価で買うことができないという彼女は、楽器屋の店主の好意で昼の1時間だけピアノを弾いているのだという。楽器屋で男と女は束の間のセッションを楽しむことになり、互いの音楽に惹かれていく―。音楽をきっかけにほんの一瞬重なった男と女の人間ドラマです。

【感想】肩書きのない2人の、肩書きのない関係がやっぱり切ないよ!

結局男は夢を追い元彼女のいるというロンドンへ。

女は母親と幼い娘の住む家で、夫と新しい生活をやり直す、というラストでした。

 

シングストリートの2人が「失うものはなにもない!君(あなた)がいれば無敵さ!」状態でロンドンへ行ったことに対して、ONCEの2人は既に「お互い以外の大切なものを知ってしまった」状態。

だからこそ男は女に最後に会うことは叶わないし、女は男からプレゼントされたピアノを夫と娘の住む家で弾くというラストシーンになったのだと思います。きっと女から男へピアノのお礼を伝えることも難しいんだろうな、なんて想像すると勝手に切なさが増します。

 

好きなシーンはいくつかありますが、冒頭の掃除機をお散歩しながらのデートの場面は好きです。カフェを出て横に並んで歩いていた2人ですが、セッションを終えた後の人通りの多い細い道は掃除機が邪魔(笑)なので、さりげなく男が女に道を譲っていたり。

そのまま男の家(フーバー・センター)へ向かうバスの中で、男が堂々弾き語りしはじめたときは口元が緩みました。途中声が大きくなって乗客のおばあちゃんが振り返るシーンがあるのですが、バスの中でギター弾き語ってるだけで強烈なのに、更にwith掃除機。にこにこしてくれてるけど、普通に不審者だよなーなんて思ったり(笑)

 

印象的だったのは、やはり彼女が既婚者であることを男が知るシーンでのやりとり。

女に教わったチェコ語で「彼を愛してる?」と聞く男に対して、女は笑顔で「Miluju Tebe」とチェコ語で返します。もちろんチェコ語を知らない男は意味をわからない、というシーンなのですが・・・もう調べるだけ野暮だよね、そういうことだよね、と思いつつ観賞後調べたら、やっぱり「私はあなたが好き」って言ってた。べただけど切ないよ!!!!!

 

ララランドの結末に関してデイミアン・チャゼル監督が「たとえ二人の関係が終わっても、二人の愛は存在しつづける。僕はそれが美しいと思う」というコメントをしたことを思い出しました。この映画にも同じことが言えるのかな、なんて思いました。

 

音楽メインの映画なのに私が音楽に詳しくないばかりに偏った感想となってしまいましたが、非常に好きな雰囲気の映画でした。満足です!