元営業女子の背伸びをやめた生活

広告代理店営業→専業主婦→WEBマーケ職という経歴のアラサーの日常を綴ります。旅行、ゲーム、映画、結婚式の思い出、仕事観など…

【ネタバレ感想】グリーンブック。人に薦めたくなる名作!笑って、ほっこりして、観終えたらケンタッキー食べよう!

 こんにちは、あしです。

 

アカデミーの作品賞受賞で話題となっている「グリーンブック」を公開初日に観てきました!

六本木のTOHOで昼の回だったのですが、やはり初日&ファーストデイということで8割くらいは席が埋まっていた印象です。

 

黒人差別系の映画は差別描写が観ていて辛いことがあるのですが、ジャンルも「コメディ」に分類するだけあって、1つ1つの描写がハードではなかったです。

人種差別は大きなテーマの1つだと思うのですが、そこまで道徳的でもない内容なので「映画はハッピーがいい。辛いシーンはちょっとね・・・」という人にも是非観てもらいたいです。

 

個人的に今年観た映画の中では1番好みでした。もういろんな人におすすめしまくりたい!そんな映画です。

 

以下感想ネタバレ有りですので、ご注意ください。

 

「グリーンブック」の簡単あらすじ

監督:ピーター・ファレリー

主演:ビゴ・モーテンセンマハーシャラ・アリ

 舞台は1960年代のアメリカ。ニューヨークのクラブで用心棒をしていたイタリア系のトニー・リップは、クラブの改装で一時的に職を失うことに。トニーは家賃を払うことも苦しく、時計を質に入れたり、ホットドックの大食い勝負で金を手にしていたが、まとまった金を手にするため黒人ピアニストのドクター・シャーリー(ドク)の運転手を請け負うことになる。まだ人種差別が色濃く残る南部へ約2カ月のコンサートツアーへ行くというドク。黒人であるドクは、行先でのトラブルも覚悟した上で、腕っ節のいいトニーを雇うことに決めたのだった。黒人が泊まれるホテルなどを記した「グリーンブック」を頼りに、トニーとドクは旅に出る。

【感想】ピアノがうまくて、曲がったことが嫌いで、俺の家族も思いやれるいい奴だから、そいつを傷つける奴は腹が立つ。只それだけ!

元々は「黒人がつかったコップなんて捨てちまえ!」という黒人差別主義のトニーでしたが、いざ一緒に旅をしてみると思った以上にあっさりとドクと打ち解けてしまうのが意外でした。2人の確執とか描きつつ、何かエピソードがあって打ち解けるのかな?と思っていたので、いい意味で期待を裏切られました。

差別の対象だった黒人だけど、聴いてみたらピアノすごいはうまいし、お母ちゃんみたいに口うるさいし、黒人のくせにケンタッキーも食べたことないと言うし・・・意外に面白くていい奴かも?という比較的軽いノリでドクとの距離を縮めるトニーの自然さがすごく良いんですよね。

当たり前ですが、自分と関係ない他人だと思うからこそ「痛みを想像しようとしない」し、「想像はできるけど自分とは関係ない」と思う。そんな意識があるからこそ差別はなくならない。でも言い換えれば、他人でなくなったとき、人は人を差別できなくなる。

・・・こう文章にするとえらい道徳的な部分を、トニーという粗暴なキャラが自然に見せてくれるのが気に入りました。

 

思えばドクは、妻帯者であるトニーが長期間留守にすることや、帰宅できるのがクリスマス(アメリカでは家族と過ごす重要なイベント)であることを心配していて、わざわざ奥さんのドロレスに電話で許可をとるような家族思いな奴なんです。

そうした序盤のエピソードも観ているからこそ、特別なエピソードがなくてもトニーが自然とドクに好感を持つのが伝わってくる構成になっていると思いました。

 

こんな風にバディものとしても、じーんとくる場面がいくつもある作品なのですが、コメディとしても絶妙なので、とにかく人に薦めたくなります!

特にこの辺りのシーンは劇場内でも笑いが起きていました。

  • ケンタッキーの骨を車道に放り投げるシーン
  • トニーの手紙をドクが添削するシーン(deer ドロレス 笑)
  • ドロレスがラスト「手紙をありがとう」と言うシーン

会話のテンポや間の取り方が絶妙で、特にケンタッキーの骨を車道に放り投げるシーンは笑いました。マハーシャラ・アリのにこにこからの真顔が、全体通して1番印象的で思い出すシーンかもしれない(笑)

 

アカデミー賞作品賞」「黒人」「マハーシャラ・アリ」というキーワードだけ観ると、第89回にアカデミー賞作品賞を受賞した「ムーンライト」を思い出しますが、誰かにお勧めしたり、何度も観たいと思うのは「グリーンブック」かな。

まあ比較するのが双方に失礼なぐらい、ジャンルの異なる作品なんですけどね!

 

観終えた興奮のまま書き殴っているので、いつも以上にまとまりはないですが「え?主演のビゴ・モーテンセンってロードオブザリングアラゴルンなの・・・?まじかよ・・・」という衝撃も忘れるくらい、充実した2時間10分でした!